本「深泥丘奇談(綾辻 行人)」(ミステリー)

2008年07月20日

綾辻行人の新境地。奇妙な風味の自伝的幻想と怪奇。京都の奥には、何かが潜んでいる…。深泥丘病院の屋上で見た幻鳥、病院の地下へと続く階段、痛む歯、薄れゆく街の記憶…作家である「私」がみた日常が一瞬にして怪談に変わるとき、世界は裏の顔を表す(ヤフー抜粋)

綾辻さんの有名な「館」シリーズはほとんど読みました。
本格ミステリーの名にふさわしい、ドキドキハラハラする読み応えのある作品たちです。

その綾辻さんが今回は、怪談(奇談?)に挑戦。

9つの短編からなりたっていますが、全て登場人物は同じです。
舞台は深泥丘というなんとも不気味な名前の場所。
そこに病院があり、そこに出てくる先生や看護婦もちょっと不思議な人々。
怪談かと思い、夜に1人で読むのはちょっと恐いかな?なんて思ったけど
タイトルどおり奇談というのがぴったりな不思議な不思議なお話でした。

文中には「○○と聞こえた・・・ような気がした」という文章がよく出てきて
なんともあいまいな表現が多い。
主人公も何年もその土地に住んでいながら、記憶があいまいで
時々起こる眩暈・・・。

この連載はまだ続くようで、この本の中では全て謎のままで
あやふやなままで終わってしまいます。
あとがきにも、どうぞ緩やかにお付き合いのほどを・・・と記されているように
何故か不思議とあやふやなままでもまあいいか・・・・と思えてしまう。
また続きが出ないかななんて思ってしまう、不思議な話でした。

おどろおどろしい雰囲気をかもし出しながらも、どこか微妙にコミカルな部分もあったりして
私的には結構好きな作品でした。

舞台は作者の住んでいる京都をモデルにしたそうです。
知っている人が見れば、地名なども少し変えて書いているということで
面白いのでは?

★★★
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